モレイン・レイク
Moraine Lake
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(C)2005 Eisai Ishibushi ALL RIGHTS RESERVED
DATA: FujiFIlm S3 Pro , Nikon D70 , AF-S DX Zoom Nikkor ED 12〜24mm F4G(IF),
AF-S DX Zoom Nikkor ED 17〜55mm F2.8G(IF) , Ai AF Zoom Nikkor ED 80〜200mm
F2.8D
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8/26(金) つづき
モレイン・レイク
モレイン・レイクへの道はかなり標高を登る。携帯電話は通信圏外になる。左側にモレイン・レイクから流れ出す川の深い谷と雄大な森林を見下ろし、正面にはモレイン・レイクを囲む、これまた雄大なテン・ピークスの連峰を見る。その景色が広がると、すぐに駐車場にかかる。駐車場には入りきれなかったクルマが路上駐車をしている。私たちモレイン・レイク・ロッジのゲストはそれらを尻目にまっすぐ進み、突き当たりのゲスト専用の駐車場に入った。ロッジのレセプションはこの駐車場の脇にある。
受付で事務的なことを済ませると、ロッジについての親切なレクチャー・ツアーがあった。30歳前くらいのきれいな白人女性だった。そのあと、ロッジまで小さなクルマで荷物と私たちを乗せていって下さった。あまりに親切だったので $4 もチップを払ってしまった。Thank you so much ! その言葉に出し過ぎたかな?と思ったが、それに値するくらい親切で笑顔を忘れない応対だった。私たちのたどたどしい英語力にも関わらずである。
ロッジは勿体ないくらい広く、お洒落だった。本物の暖炉と薪が置いてあった。ダテではなく、本当に朝夕は冷えるらしい。ただ、私たちのとまった #8 のロッジは建て付けが悪く、ドアロックにトラブルがあった。オートロックにも関わらず、オートロックがかからない。フロントにインターフォンをしようと思ったが、ここにはインターフォンも電話もない。事前に知っていたが・・・。レセプションまで行って、そのことを告げるとすぐに対応してくれた。
ロッジからの眺めであるが、The Fairmont Chateau Lake Louise から観るであろうレイク・ルイーズのように正面に湖が広がるというものではなかった。林の隙間から、辛うじてモレイン湖の水色が見えるという程度であった。
ただ、このロッジの魅力は無愛想な鉄筋ではないことである。私が一番嫌うのは部屋にはいると、欧州なのか北米なの日本なのかわからない部屋。そんな鉄筋のホテルはお払い箱である。
それから、何と言っても本物の暖炉があることは魅力だ。当初は、どうでもよいと思っていたが、実際に暖炉に火を入れると、薪の燃える臭い、パチパチという薪の燃える音、エアコンのような嫌らしさのない暖かさ・・・。そして、なかなかの雰囲気だった。暖炉の薪をみていて、燃えにくい大きな薪の火の具合が悪くなると、ついつい付嘱の火箸(大きなハサミ)でいじってしまう。また、燃え出すと嬉しい。意味もなく薪の燃え方に目をやってしまう。人間というのはDNAの中に火をいじりたくなる本能を持っているのだろうか。昭和40年過ぎ、私はまだ幼少であったが、お風呂は薪だったし、土間にカマドがあった。その頃のことを思い出した。
モレイン湖の観光に出かけた。カヌーもあったが、先程ルイーズ湖でカヌーに乗ったばかりなので明日にした。ルイーズ湖も素晴らしかったが、モレイン湖もまた違った風光明媚さがある。テン・ピークスの山々が近くに迫り、ルイーズ湖とは微妙に違う湖面の青さをたたえる。この時だけで撮った写真は何十枚ではない。
期待したロッジの夕食・・・であるがぁ
ロッジのホームページを見ると、ディナーは素晴らしいと期待させるものであった。ディナーの予約は必ずするようにお勧めします。そのような言葉がHPにあった。もちろん、私は予約を入れた。
ところが、6時半から初めて8時半の食事中にレストランが満席になることはなかった。別段、それでも料理が素晴らしければそれでよい。けれども、料理は美味しい部類には入るが、満足できるものではなかった。 ホテルで購入できるサンドイッチとビールで夕食(supper)でも良かったかも知れない。
例えば、前菜(appetiser)に牛肉のカルパッチョを食べたが、ようするに「牛肉のたたき」である。それも極薄くスライスしてあって肉の味がしない。そこへ、大きな黄色いスイカのが添えてある。どう考えてもスイカの味が肉に勝ってしまう。ソースも控えめ。斬新なアイデアへの勇気、そして赤い肉と黄色いスイカの彩りは評価しよう。しかし、まったく味覚と香りのハーモニーにはなっていない。論外である。
それからメイン・ディッシュ。大鮃(オヒョウ)を注文した。素材そのものは新鮮で美味しかった。火加減も申し分ない。しかし、ソースがなんとカレイの煮付けの味がする。煮付けの出汁であればそれでいいが、煮付けの出汁を洋風にアレンジしてあるのである。メニューを見ても、調理を見ても、シェフは日本料理にヒントと個性を求めているようである。しかし、その煮付けの出汁のアレンジは奏功していない。日本人以外にはウケるのかも知れないが・・・。
黄昏のモレイン湖
夕食が終わって、夜の8時半。日没は9時半頃であるが、日の傾いたモレイン湖を再び撮影した。この湖の View Point は恐らくこの湖をせき止めた土砂と石の山である。そこには流れ着いた倒木の丸太がたくさん連なっている。この丸太を渡ってその土砂と土の山に渡るのであるが、夕食でスパークリングワインをボトル半分飲んだ私には渡れなかった。もし、落ちてカメラバッグを水に落としたら、スタンダードな軽自動車を買えるくらいの損害である。(家内には内緒・・・笑)
黄昏のバンガローのバルコニー
黄昏のバンガローのバルコニーでビールとスコッチを飲った。氷はメインのロッジにある。ビールは売店にて購入、スコッチは関空免税店からの持参。なかなかの雰囲気だった。ただし、ロッジにビールの栓抜きがない。なんというホテル(ロッジ)だっ! 暖炉の薪をバルコニーまで持ってきて、ビールビンの王冠のとっかかりを薪のエッジに掛けて、左手で握りしめ、衝撃吸収にタオルを掛け、右手でハンマーの如く左手に衝撃を与えた。1本目はすぐに開いたが、2本目は苦戦した。ワイルドな雰囲気に丁度だったが・・・。
星空
ここまで来て期待したのは、夜の暗さである。晴れれば満天に恐ろしいほどの数の星が見えるのではと思った。しかし、曇っていた。大人しく眠ることにした。
【レイク・ルイーズ(モレイン湖畔)泊】
Moraine Lake Lodge
8/27(土)
モレイン湖の朝
朝は7時半に起きた。
昨夜、曇っていたので天候は半分諦めていたが、晴天だった。バンガローのベランダで山を見ると山頂だけに日が射している。おもわず、着の身着のままにジャンパーを羽織ってそとに繰り出した。また、百枚前後撮ったと思う。いや、それ以上か?
残念なことに、朝夕の黄昏に、赤く染まった山頂を撮りたかったが、そのような光景には出会えなかった。
撮影を終えて、家内を起こして朝食にした。メイン・ロッジでサンドイッチを購入し、バンガローにそなえつけのコーヒーメーカーでコーヒーをたてた。
その後、再度モレイン湖の撮影をしてから、チェックアウト。荷物をレンタカーに載せてから、カヌーに乗る。チェックアウトしても、その明細を見せればボートは無料で乗れる。1時間ほどカヌーと景色を楽しんだ。昨日は揺れる怖さで凍っていた家内も、カヌーを漕いでくれた。カヌーから撮影にもカヌーの方向をかえるなど協力してくれた。
やはり、湖の一番奥まで漕いで行き帰ってきた。ルイーズ湖より狭い分、あちらこちら興味のおもむくままに漕いでいった。ロッジからみて湖の右奥には川が流れ注いでいる。昨夜、周囲の静けさにかかわらず、ゴーっと音を立てていたのはこの河口の音かも知れない。
カヌーをおりてから、この河口までのトレイルを歩いた。エメラルドの湖の湖畔を歩くのは気持ちのよいものである。先程の河口に到達して、手を水につけてみると冷たかった。10秒もすると手がしびれるのではないかというくらい冷たかった。湖よりもはるかに冷たい。
そうこうして、モレイン湖を楽しんでいると、12時半になっていた。予想外に長く滞在した。それだけモレイン湖が素晴らしいのである。しかし・・・今日はジャスパーまで約280km移動する日である。しかも、途中にはコロンビア大氷原の観光ははずせない。時間が・・・。我に返ってジャスパーまでの移動を開始した。
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