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タイ仏教 タイは国民の95%が仏教徒である。約二千年前の古代よりこの地域は仏教を受け入れてきた地域であるが、現在のタイ仏教は13世紀に伝わったものである。 タイ建国以前のインドシナ半島仏教史 1〜2世紀から7世紀頃 カンボジアからベトナム南部にあるメコン川下流域の扶南(ふなん)において仏教が行われていた。扶南はクメール人が建てた国で、インド文化を受容して繁栄した。 3世紀頃から9世紀 ビルマ(ミヤンマー)では上座部とサンスクリット聖典を信奉する根本説一切有部系の小乗仏教と大乗仏教とが並び行われていた。 9世紀初頭 カンボジアのアンコール帝国ではヒンドゥー教と並んで大乗仏教が行われた。タイはカンボジアのアンコール朝の支配下でクメール人大守が統治していたのでタイ仏教との関連が十分考えられる。 タイ仏教史 1220年頃 タイ人土侯がスコータイを占拠しタイ人の国家を建てた 1292年 最古のタイ語資料であるラーマカムヘン王碑文。ここから上座部仏教が深く浸透したことがわかる。ラーマカムヘンはスコータイ朝第3代の王。在位は1275年頃から99年あるいは1317年。 1351年 アユタヤ朝が成立。 14世紀中葉 スコータイ朝を中興した第5代の王リタイ(在位1347‐74?)は、タイ語による最初の仏教書『トライプーム』を著す。 1438年 スコータイ朝がアユタヤ朝に併合される 1750年 スリランカ王の招請により、オランダの植民地支配のもとで衰微した仏教サンガを再興するため、アユタヤから仏教使節がスリランカの首都キャンディに派遣。スリランカ最大の宗派シアム・ニカーヤはこのとき創始。
1767年 ビルマの侵攻を受けてアユタヤ朝が滅亡 1788年 ラーマ1世が経律の結集を後援して仏教を再建させようとする 19世紀 4世王モンクット(在位1851‐68)は即位前に27年の僧侶として僧院生活をした。旧態依然とした仏教を批判し、パーリ仏典への回帰を主張して、厳重な持戒の復興を目ざし、タマユット派と呼ばれる復古的改革運動を起こした。タイには在来派のマハーニカイ派と並んでタマユット派が生まれた。 20世紀初頭 サンガ統治法が制定。仏教教団の強力な国家管理体制が確立した。
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