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蓮の栽培記録

〜平成15年度〜
Record of Lotus plantation 2003
はじめに

 蓮栽培も3年目を迎えた。栽培は手間も時間もお金もかかり大変であるが、開花した蓮の花の華麗さを考えるともうやめられない。本年は以下のように計画、方針をたてた。

本年の計画と方針

睡蓮に挑戦

白から淡いピンクの Darwin (ダーウィン) 、赤の Mayla(メイラ)という温帯睡蓮を各1株栽培する

Darwin (ダーウィン)の株 Mayla(メイラ)の株
Darwin (ダーウィン)を植えつけたところ Mayla(メイラ)を植えつけたところ
双方とも植えつけ後、葉にケロイド状の病変があるが、これは宅急便で移動中や植えつけ時に乾燥したためとのこと

鉢を陶器に変更

昨年はプラスチック製のだいだい色の100L容器で栽培したがもうひとつ味気なかった
本年は信楽の業者から購入したタイ製の陶器を14個購入
これで蓮の花の華麗さを損なうことがない
お寺の荘厳さにも寄与する

蓮華の品種

今まで通り、浄台蓮、舞妃蓮を中心に栽培する
更に、妙蓮(千弁蓮)1株、アメリカ(白蓮)1株、瑞光蓮(爪先紅)2株を挑戦。※
ただし、昨年とった種から実生栽培を挑戦することにする
実生栽培をすると親の品種とは違うものができるそうであり、どんな花が咲くか楽しみである

※種蓮根は鳥取県の天台宗長昌寺の野本覚成師から頂いた。この場を借りて感謝申し上げる。

1鉢あたりの開花数を増やす

昨年まで1つの鉢から1〜3輪の花しか咲かなかったのは、日照時間や施肥に問題があったものと思う。そのことについて試行錯誤したい。

土の再利用

昨年の土を天日に干して、ふるいにかけて根を取り除き再利用することにした。

植えかえ前の蓮華。昨年秋からこの状態。 蓮根をとりだして土を乾燥させる
とりだした蓮根。これらのうち元気の良いものを植えかえる。 土が多くてビニールシートが間に合わない。

 

実生栽培

実生栽培(種からの栽培)に挑戦したいが、果たして暇があるかどうか。蓮華の種は削って発芽しやすいように処理しなくてはならない。しかし、とにかく蓮華の種は堅い。カッターナイフなど刃も立たないし、木工用のヤスリでも小さな傷が入るだけである。

肥料

昨年は使用した鶏糞は肥効が短いそうである。よって、骨入油粕で栽培することにする。
土壌の中和剤は硫黄分を補給できるとされる有機石灰を使用する
追肥は速効の化成肥料と遅効の骨入油粕を適宜使い分ける
微量要素は明らかに欠乏したと考えられるとき以外は神経質にならないようにする

4月上旬 骨入り油粕の粉を200gと大粒5個を土に混ぜたものを元肥として鉢の底に入れる。
蓮根に肥料が直接触れないように、植え込み部分の土は石灰で中和するだけにしておく。

日照

蓮の主食は太陽の光である。植え込む鉢と鉢の間隔や太陽光の当たる時間などに最優先に考える。とは言っても、日出から日没まで日照に恵まれる場所など境内にない。限度がある。

本堂前には蓮の鉢を左右2つずつ(手前2つが睡蓮、奥は蓮華)

お寺の西側に蓮華の鉢を10つ配列
浄台蓮と舞妃蓮を交互に
墓地に蓮華の鉢を8つ配列
手前が左から妙蓮1株、アメリカ1株、瑞光蓮2株

栽培日誌

3月 

26日 蓮華の植えかえ作業開始。蓮根を掘り出し、土はビニールシートで天日消毒する。

4月

 3日 本堂前境内と山門の蓮華の植えかえ作業がほぼ完了。

 7日 夜に睡蓮の植え込み作業。

 9日 睡蓮の葉がケロイド状に溶けたようになるが、輸送や植えかえ時の乾燥によるもので心配ないとのこと。

10日 墓地の蓮華の植えかえ作業がほぼ完了。初挑戦の種類、妙蓮(千弁蓮)1株、アメリカ(白蓮)1株、瑞光蓮(爪先紅)2株も植えかえる。

21日 睡蓮の Darwin (ダーウィン)が開花

5月

14日 睡蓮の Mayla(メイラ) が開花

6月

 1日 追肥。(油粕の大粒を3粒ずつ)

 5日 舞妃蓮の華のつぼみを2つ発見。

20日 舞妃蓮が開花。(本年開花第一号!)

21日 睡蓮の Darwin (ダーウィン)が開花。第二陣。

 

28日 金魚30匹を放流。

赤玉土の鉢にはすでに金魚を放流していたが、墓地側の「花の土」を入れた鉢の水質は悪く金魚放流をしていなかった。ところが、恐ろしいくらいボウフラが繁殖していたのでヤブ蚊対策で金魚を放流。金魚が死に絶えた他の鉢にも放流した。

7月

2日 浄台蓮が開花。(浄台蓮としては開花第一号)

2日 水耕栽培でも舞妃蓮が開花。

余ったレンコンを予備のため・・・あるいは捨てられずに水に浸しておいたものが花を咲かせた。
肥料は油粕(魚粉、骨粉入り)大粒を2〜3個だけである。

2日 追肥

蓮華には油粕の大粒を2粒ずつを追肥。埋めずに水に沈めただけ。たぶん金魚は大丈夫だろう。
睡蓮には化成肥料(10-10-10-1)を5粒ずつ追肥。こちらは直径5mmほどなので割り箸で土の中に突っ込んだ。根や芽に触れないように縁の方にから入れたが、あるいは根や芽を傷つけたかも知れない。


各鉢の記録

 ・境内西 (陶器)

1号鉢
舞妃蓮
開花6/22

横門

2号鉢
浄台蓮
開花7/7
3号鉢
舞妃蓮
開花6/21
7/8
4号鉢
浄台蓮
開花7/10
5号鉢
舞妃蓮
開花6/27
6号鉢
浄台蓮
7号鉢
舞妃蓮
開花6/25
7/1
8号鉢
浄台蓮
9号鉢
舞妃蓮
10号鉢
浄台蓮

 ・本堂前 (陶器)

11号鉢
舞妃蓮
開花7/8
12号鉢
睡蓮
Darwin (ダーウィン)
4/21以来順次開花

本堂正面

13号鉢
睡蓮
 Mayla(メイラ)
5/14以来順次開花
14号鉢
浄台蓮
開花7/2

 ・山門前 (50L皮蛋鉢)

15号鉢
舞妃蓮

山門

16号鉢
浄台蓮

 ・墓地 (プラスチック100L)

21号鉢
舞妃蓮
開花6/20
22号鉢
浄台蓮
23号鉢
舞妃蓮
開花6/28 7/5
24号鉢
浄台蓮
17号鉢
妙蓮(千弁蓮)
18号鉢
アメリカ(白蓮)
19号鉢
瑞光蓮(爪先紅)
20号鉢
舞妃蓮

考察 (本年度の反省と次年度への課題)

・カラス対策

墓地に植えた妙蓮(千弁蓮)、アメリカ(白蓮)、瑞光蓮(爪先紅)が最初の頃の浮葉をカラスにやられてしまい、成長が著しく遅れた。また、本堂前に植えた睡蓮2種は浮葉をやられただけでなく、華までやられた。数カ所に分散した鉢に網をかけるのも大変だし、本堂前などでは景観を害する。どうしたものか。

・レンコンを植える深さ

一部の鉢ではレンコンが土から出てしまった。植える深さが浅かったようだ。また、根の伸びる方向を下に向けて植えるべきだった。かといって、本年は3節以上の長い目のレンコンを植えたので根の伸びる方向を下に向けようと思っても限度があったのであるが。

・同じ土による連作の問題

本年の境内西側の土はすべて昨年の土の再利用である。天日に干して、ふるいにかけて、石灰で消毒中和し、十分な元肥を施した。しかし、農家によると同じ作物の連作はさけるべきだとのこと。かといって、他の植物を栽培するつもりはないし、大量の土を来年また買うとなると出費が大変だ。その辺を来年どうするかだ。

・一時に開花する数

山内を見渡して7〜8輪の開花がある。そんな華やかな状況を作ることはできないだろうか。22鉢も蓮華を植えて、一度に開花しているのは2輪くらいであり、少し淋しい気がする。開花すること自体ありがたく感じるべきであり贅沢な望みであるが。

・一つの鉢から開花する数

上記にも関連して来るが、一つの鉢から5輪づつ咲くようにできないだろうか。

 

 

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