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天台山国清寺参詣記


 天台山国清寺は天台宗発祥の地である。

 中国の隋の時代、西暦 598年建立。当初の名称は天台寺であったが、隋の煬帝皇帝の時代に「国清寺」の名を授けられた。現存する伽藍は清の時代 1734年に勅命により再建されたもの。1973年中国国務院の出仕により全面的な修理が行われた。総面積 7.3ha、殿堂など家屋数は 600軒以上。の大寺院である。

 天台大師智は第三祖であるが実質的には天台宗開祖である。日本の天台宗開祖である伝教大師最澄(西暦 804年入唐)し、智証大師円珍(西暦 853年入唐)、栄西禅師ほか多くの日本の僧侶がここを訪れている。

 今般参詣した目的は、天台大師1400遠忌法要であり、天台大師の霊気に触れたかった。伝教大師最澄が遣唐使として遥々訪れたその場所に是非とも参詣したかった。

位置

 地図では上海の南側すぐにあるように見える。しかし、間には銭塘秋濤という川の逆流を起こすラッパ状の杭州湾がある。上海からの陸路では杭州・紹興を経由しなければならず450Kmもある。中国は広い。

中国の地図アクセス 〜 杭州からも良い 〜

 鉄道はなくバスで行くことになる。寧波(ねいは)からのバスが一番近いが、観光地としての魅力からして杭州からのバスも良い気がする。杭州は西湖という湖を中心とした景勝地であり龍井茶(ろんじんちゃ)の産地である。中国人の新婚旅行の候補地でもあるそうだ。

 杭州〜天台山 226km 所用7時間とあるが私のバスは約5時間半で行った。途中、紹興酒で有名な紹興郊外を通過する。紹興は酒も本場なら、水郷で景色が良い。現代でも観光だけの水郷とはなっておらず生きた水郷である。車窓からの眺めもなかなかだった。

 上海から夜行バス(453km)も出ているが、おそらく例の粗末で汚れた小さなバスなので、個人的には夜行では乗りたくない。値段から想像しても・・・。(38元 ≒ 494円) 夜行バスは治安の問題も考えなくてはならない。

 天台の町に着く前に大きな橋を渡る。橋を真っすぐ行くと朱塗りの大きな門があるがそれは天台山国清寺とは関係ないようだ。その門の手前を右折して車で10分ほどで国清寺に到着する。

 寺院らしくない総門?をバスで通過すると間もなく右前に高さ約60mの隋塔の威容を拝することが出来る。やがて、左側に国清寺の門が見える。門の道路を隔てた対面には「隋代古刹」と大きい文字が書かれている。
さらに、直進すると右側に天台賓館というホテルがある。ホテルを右手み見て、ガードレールのない未舗装路を登っていくと智者塔院(智の肉身塔)などに行ける。但し、智者塔院には歩いていくには辛い距離であり辛い坂道である。未舗装路を比較的高速走行の車輛が通行して危険でもある。

 また、車輛は午前中登り午後下りという一方通行の交通規制があるようなので注意しなければならない。といっても田舎のことなのでかっちりした決まりではないかも知れない。大型のバスは通れず、交通にはマイクロバスがあるとのこと。

国清寺の朝勤

朝勤に参詣したのに、何と門が閉まっている 行堂中の国清寺僧侶 (ビデオより)

 国清寺の朝勤は早朝(未明?)の3時半頃からだそうだ。4時頃に正門から入ろうとすると門が閉まっていた。しかし、御堂からは読経(声明)の音が・・・。

国清寺朝勤の音声 (stereo)(RealAudio)
国清寺朝勤行堂の音声(stereo)(RealAudio)

 正門は閉まっていたが、正門の右手を川に沿って行くと横門から入ることができる。暗いので前日に道筋を確認するべきであろう。月明かりがない限り懐中電灯は不可欠だ。

 朝勤をしている大雄寶殿(本堂)では敬虔な仏教徒以外は御堂に入るべきではない。御堂の外からでも見学できる。堂内では1時間以上立ちっぱなしであるし、伏拝の所作がある。また、堂内の行堂(本尊を中心に右周りに回る)に僧侶だけでなく信徒も参加することになる。堂内では黒っぽい服装、せめて明るくない色調の地味な服装が望ましいかも知れない。

 伏拝だが、地面に伏拝するのではなく、椅子のような高さ30cmほどの座布団のような物の上に伏拝する。この座布団のような物には法要中に間違えて座らないように。礼拝して頭(額)をつける場所である。

宿泊のホテル 天台賓館

 鉄道の駅もないような田舎のホテルだと期待はしていなかったが、なんのなんの綺麗なホテルだった。日本のシティーホテルと比しても引けを取らない設備である。部屋は狭くなく、部屋のベッドも風呂も水洗トイレもシティーホテルのそれである。歯ブラシやスリッパまでおいてある。ドライヤーが有ったかどうかは使わないのでおぼえてない。(笑)
設備が整いすぎて、はるばる参詣に来たという感慨を損なわれるが、国清寺の朝勤に参拝するにも近くて良いだろう。ただし、最近泊まった知人の話では、ここでマッサージを受けると女性マッサージ師による際どい特別服務?もあるとか。いやはや末法。設備の整いすぎ。

天台賓館の料金

2号楼 258元
3号楼 128元
4〜6号楼 398元〜468元
7号楼 558元〜698元
1180元(法式家具)
1680元(紅木家具)

※1元≒13円 ちなみにホテル内のビールは8元(笑)

天台賓館 浙江省台州地区国清寺天台賓館
電話/FAX 0576-3883888 (中国国内の電話番号)

参考になる図書

「聖地 天台山」 陳 公余/野本 覚成 著 佼成出版社 ISBN 4-333-01800-5
「天台大師の生涯とその業績」 武 覚越 天台宗務庁(布教課) 非売品


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